熱中症の「予防・対策」法7選

本記事は、熱中症の予防法・対策を知りたい方に向けて、できる限り簡潔に概要をまとめています。
1.熱中症の予防法・対策一覧
2.熱中症とは
熱中症とは、高温の環境において体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもってしまう病気のことです。
特に乳幼児、高齢者、障害のある方は熱中症にかかりやすい傾向にあり、重症になると命にかかわる場合があるため、注意が必要です。
2-1.熱中症による救急搬送が増加傾向
令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送人員の累計は、97,000人を超え、平成20年の調査開始以来最も多い数となりました。
死亡者数は120人となっており、過去4番目に多い数字でした。
参考:総務省 令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況
熱中症に対する予防や対策は欠かせないと言えるでしょう。
2-2.熱中症の要因
熱中症は主に2つの要因によって引き起こされます。
- 気温が高い、湿度が高い
- 風がほとんどない、日差しが強い
- 照り返しが強い
- 体調不良である
- 暑さに体が慣れていない(暑熱順化できていない)
- 激しい運動をした
2-3.重症度別 熱中症の症状
症状は重症度によって3段階に分けられます。
重症度 | 症状 |
---|---|
軽症 |
|
中等症 |
|
重症 |
|
熱中症のセルフチェックはこちらで可能です。
3.熱中症の予防法・対策
熱中症予防・対策を具体的に紹介します。
【予防法・対策1】服を過ごしやすいものにする

衣服は通気性、吸湿性、速乾性が良いもの、ゆったりとしたシルエットのものを選ぶ。
・通気性:綿や麻 など
・吸湿性、速乾性:ポリエステル など
熱を吸収しやすい黒色系のものは避ける。
【予防法・対策2】日傘や帽子を使用する

直射日光を浴びないように工夫することが大事。
日傘は広範囲をカバーできるが、持ち運びが面倒なら帽子を選ぶとよい。
帽子は時々脱ぎ、汗が溜まらないようにする。
【予防法・対策3】水分・塩分補給をこまめに行う

1日に推奨されている水分量、1.2L以上の水分補給を心がける。
屋外で汗をたくさんかいている時は塩分も摂る。塩分濃度目安は0.1 ~ 0.2%。
スポーツドリンクは手軽に水分・塩分補給ができるが糖分の取りすぎにならないよう注意する。
【予防法・対策4】室内の温度を過ごしやすいものにする

エアコンを積極的に利用する。
室温は28度を目安に、扇風機も活用し効果的に室内を冷やすとよい。
遮光カーテンやすだれで直射日光を遮るのも効果あり。
エアコンはオンオフを繰り返すと電気代が余計にかかるため、暑さを我慢してすぐにオフにしないようにする。
【予防法・対策5】睡眠と栄養を十分に取る

十分な睡眠時間を確保し、食事は1日3食しっかりと食べ、体調を万全にしておく。
食べ物でおすすめは水分やビタミンB1を多く含むもの。
・水分:スイカ、きゅうり、トマト、オレンジ、キウイフルーツ など
・ビタミンB1:豚肉、豆腐や味噌などの大豆製品、玄米 など
睡眠不足が続くと体温調節機能も下がりやすくなる。
【予防法・対策6】熱中症警戒アラートを参考に行動する

環境省の熱中症警戒アラートを確認し、アラートが出ているときは外出を避けるなど対処する。
暑さ指数(WBGT)も確認するとよりよい。
指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)を利用することもおすすめです。
熱中症警戒アラートが出ていないからといって油断しないこと。
【予防法・対策7】運動や入浴で暑さに体を慣らす

暑さに慣れ、暑さに強い体を作る「暑熱順化」を獲得するとよい。そのためには、毎日30分程度のウォーキングなどの運動を2週間継続する。
入浴で汗をかくのも効果的。
暑さに慣れないうちは、激しい運動は避けて短めの簡単なものから始めるとよい。
参考:厚生労働省「暑熱順化」
4.熱中症になった際の対処法
熱中症を疑う症状が出た際は、以下のように対処します。

意識がない場合や、症状が改善されない時は速やかに医療機関を受診しましょう。