
本記事では、「エアコンを使用すると出てくるアレルギー症状」について、その「原因」と「対策」について簡潔に解説しています。
エアコンの故障・トラブル全般に関しては下記記事を参照ください。
目次
1.エアコン使用でアレルギーが引き起こされうる「原因」と「症状」一覧
エアコン使用でアレルギーが引き起こされる原因・メカニズムは主に以下3つです。

続いて、エアコン使用が原因で出る主なアレルギー症状を以下にまとめました。
エアコンが引き起こすアレルギーとしてよく言われているものは「アレルギー性鼻炎」による「くしゃみ」「鼻水」といった症状です。
アレルギー疾患 | 主な症状 |
---|---|
アレルギー性鼻炎 | くしゃみ 鼻水 鼻づまり |
喘息 | 気道が狭くなる |
アレルギー性結膜炎 | 目のかゆみ 充血 浮腫 |
アトピー性皮膚炎 | 皮膚の乾燥 かゆみ 皮疹 |
花粉症 | 鼻水 くしゃみ 鼻づまり、目のかゆみ、咳、皮膚のかゆみ など |
参考:アレルギーポータル|アレルギーについて
厚生労働省|「居住空間とアレルギー」「アレルギー総論」
2.エアコンが「アレルギー症状」を引き起こすメカニズム
この章では、エアコン使用でアレルギーが引き起こされるメカニズムを解説します。
2-1.「室内やエアコン内部に存在するアレルゲンが風で拡散される」について

エアコン内部や、室内にいる「ホコリ」「カビ」「ダニの死骸やフン」「花粉」といったアレルゲンが風で拡散し、アレルギー症状を引き起こします。
※参考:東京都保健医療局|15.住居とアレルギー疾患
・エアコンの中はカビが繁殖し易い!
カビが繁殖しやすい環境とは、
- ホコリや髪の毛、食べかすといった汚れがある
- 20〜30℃程度の温かい環境
- 湿度が60%~80%
といった3条件がそろっている環境になります。
この条件に従うと、「エアコンの中」はまさしく「カビが繁殖しやすい環境」になりやすいといえます。
特に冷房使用時は内部の温度差で結露が発生して内部の湿度が非常に高くなるので、カビが好む環境となるためカビが大繁殖し易くなります。
・フィルターにたまったアレルゲンが拡散する可能性がある!
フィルターは本来、汚れを綺麗にしてエアコンから排出される空気を綺麗にする役割を持っています。
しかし長く掃除をせずに使用していると、フィルター自身に吸い込んだ空気中のアレルゲンが蓄積したり、カビが繁殖したりしてアレルゲンの拡散源になる事もあります。
2-2.「エアコンの使用に伴う空気の乾燥」について
エアコンを使用すると空気が乾燥するので、「鼻の粘膜」も乾燥して傷ついてしまい、アレルゲンに対して敏感になってしまったり、傷を潤すために鼻水がでたりします。
2-3.「室内と室外の寒暖差」について
エアコンで暖まった部屋から温度の低い外へ出たときなど、急激な温度変化によって鼻づまりやくしゃみなどのアレルギー症状に似た状態を引き起こすことがあります。
これはいわゆる「寒暖差アレルギー」といわれるものです。
しかし、寒暖差アレルギーはアレルゲンが原因ではないため正確にはアレルギー疾患ではありません。
3.エアコンの「アレルギー対策」一覧
エアコンを使用する際、アレルギー対策を取る事が可能です。

以下で解説します。
3-1.使用後に「送風」でエアコン内部を乾かす
エアコンの「冷房」「除湿」運転では、内部に湿気が溜まります。
湿気をそのままにするとカビが好む環境となるため、使用後は「送風」(暖房でも可)で乾かすとよいでしょう。
運転時間は30分~1時間が目安です。
エアコンの「日常的なお手入れ」については、以下の記事で解説しています。
3-2.定期的にエアコン内部(フィルター等)を掃除する
エアコンは運転するとホコリや汚れが内部に溜まります。
また、カビはホコリやカビを栄養源として繁殖するため、これらをこまめに取り除くことが大切です。
エアコンフィルターは1ヵ月に1~2回掃除するとよいでしょう。
加えてエアコン内部の深部、特にカビが発生しやすいフィンやファンは自分で掃除がしにくいため、年に1~2回はプロのエアコンクリーニングを活用するのがおすすめです。
エアコンクリーニングのやり方については、以下の記事で解説しています。
3-3.換気や空気循環をする
カビ予防には換気や空気循環も有効です。
定期的に換気しつつ、湿気の溜まりやすい部屋の隅などにも風が通るようサーキュレーターを使用するとよいでしょう。
3-4.冷房設定温度を下げ過ぎない
温度が下がると空気の飽和水蒸気量も下がるため空気中に水分を溜められなくなり、エアコン内部に結露が発生しやすくなります。
冷房設定は適正設定といわれる「25~28℃」に収めるとよいでしょう。
3-5.部屋を掃除する
部屋を掃除することでアレルゲンを少なくすることができます。
ただし、アレルゲンとなるハウスダストは、掃除機で吸い取ろうとすると舞い上がってしまうため雑巾やモップなども利用してこまめに掃除するとよいでしょう。
3-6.アレルゲン抑制機能が付いたエアコンにする
エアコンにアレルゲン抑制機能が付いたものが登場しています。
特にHEPAフィルターを搭載しているものがおすすめです。
HEPAフィルターはごく細かい粒子もしっかり捕集できるフィルターで、ハウスダストや花粉も高精度で捕集できます。
3-7.空気清浄機やオイルヒーターを使う
エアコンと併用して「空気清浄機」を併用するのもおすすめです。
部屋のアレルゲンを除去してくれるので、エアコンで拡散する量も減るはずです。
また暖房使用時は、風が出ないオイルヒーターを使用すると、アレルゲンの拡散が起こりづらくなります。
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