エアコンの室外機に日よけがつけられているのを見たことはないでしょうか。なぜつけられているのか、つけられていないとだめなのか、気になるところです。実際にエアコンを取り付ける場合、必ず室外機にカバーをつけなければいけないわけではありませんが、それでもつけている家庭があるということは、やはり何かしらの効果があるのです。
エアコンの室外機カバー2種類
エアコンの室外機カバー、と聞いて、人にもよりますが思い浮かぶものは2種類あります。1つは室外機をすべて覆うように取り付ける、箱型のカバー。もう1つは室外機の上部分に取り付ける、屋根のような形をしたカバーです。
実はこの2つでは効果が違います。室外機カバーの本来の目的に即していないタイプもあるのです。室外機にカバーをかける本来の目的は、直射日光を防ぐことです。室外機の役目は部屋の中の熱を外へ放出することですが、直射日光のせいで室外機の周囲の気温が高いと、上手く熱を捨てられなくなり、その分電気代がかさむのです。
カバーをかけることで日陰を作り、室外機の省エネ化を図ることこそ、室外機カバーの本分なのです。
箱型室外機カバー(ルーバー)のメリット
では、2種類ある室外機カバーのうち、箱型室外機カバーのメリットとはなんでしょうか。ルーバーとも呼ばれるこのタイプのメリットは、見た目の改善と、スペースの有効活用です。どちらも自分の家を良く見せたいという場合に役に立ちます。特にガーデニングをされている方からすると重要はないでしょうか。
エアコンの室外機はどうしても良い見た目とは言えません。それを完全に隠しつつ、家や庭に合った材料やカラーリングに生まれ変わらせることができるのです。さらに、覆ってしまう性質から大雨や異物から室外機を守る効果まであります。
またラインナップが多く、棚つきの室外機カバーもありますので、物置や、植木鉢などを置くなどの有効活用もできるようになります。選ぶのが楽しいこともメリットと言えましょう。
箱型室外機カバー(ルーバー)のデメリット
一方で、箱型室外機カバーには室外機カバーの本分たる「省エネ化」を図れないものが存在します。その理由は、カバーが室外機をすっぽりと覆ってしまうためです。
もちろん直射日光は防げますが、室外機を覆ってしまうために放熱した空気がしっかりと逃げていかず、室外機周囲の気温は直射日光が当たっている時と、さほど変わらないなんてことが起こります。結果、省エネ化はできなくなってしまった、というのは見過ごせないデメリットです。
最悪の場合、放熱がうまくできなくなって、むしろ電気代が増えてしまうこともあるかもしれません。完全に覆わずに側面から熱が逃げていくように作られたタイプもありますので、省エネ化も捨てられない方はそういったカバーを探すのがおすすめです。
屋根型室外機カバー(トップカバー)のメリット
屋根型の室外機カバーは、箱型と違って室外機の上にサンバイザーのように日よけを作るだけのものが多いです。その見た目の通りトップカバーなどとも呼ばれています。
こちらは「日陰を作る」ことに特化したつくりですので、室外機カバーの本分である「日陰を作り周囲の気温を下げること」を最も効率よく遂行することができます。室外機を覆うことがありませんので、放熱の邪魔をする心配はまったくありません。
箱型室外機カバーと比べて本当に日よけの効果があるのか不安になるかもしれませんが、室外機にあたる日差しの向きと、屋根型室外機カバーのサイズさえちゃんと確認すれば何も心配は要りません。また、1つあたりの値段が箱型室外機カバーの3分の1以下で購入できる場合があり、そういう意味でもエコと言えます。
屋根型室外機カバー(トップカバー)のデメリット
一方で屋根型室外機カバー箱型室外機カバーと異なり、基本的に日よけをするだけの簡素な造りをしています。そのため室外機を隠すことができないので、見た目を気にする方からすると少し物足りないかもしれません。
当然ながら屋根の上にものを乗せることはもちろん、室外機の上で棚や植木鉢を使ったガーデニングもできませんので、見た目の方面から考えると自由度は低いと言えます。また、箱型室外機カバーのように室外機を覆いませんので、大雨を防いだり、砂や枯葉、昆虫などの異物からの防御もできません。
とはいえ、これらのデメリットは全て箱型室外機カバーと比較した時のものです。日よけを作って省エネ化を図るという室外機カバーの目的を考えると、デメリットと呼べるほどのものはないと言えます。
室外機カバーの目的は日よけ。カバー以外の対策とは?
ここまで述べてきた通り、室外機カバーの本来の目的は日よけです。すなわち、室外機カバーでなくとも日陰さえ作れれば問題はないのです。例えば以下のようなものが挙げられます。
- すだれ、よしず
室外機の上にすだれなどを固定して垂らせば簡単に日よけができます。紐をくっつけて斜め前方に垂らすなど、室外機の放熱を全く邪魔しないように作れれば理想的です。 - フェンス
少々かさばりますが、直射日光があたる方面にフェンスをおけば完全な日よけになります。ある程度の大きさのフェンスを選べば日が当たる心配がない分、室外機カバーより確実な方法と言えるでしょう。
エアコンの室外機にカバーをつける目的はあくまで日よけを作って熱を逃がすことですので、カバーにこだわらずとも、上記のように工夫することは可能です。自宅にあるもので、意外と簡単に日よけできてしまうかもしれません。