米油って何?健康にいいって本当?

近年は、ココナッツオイルやえごま油といった、いわゆる健康オイルブームが世間を席巻しています。その健康オイルの中で、特に注目されているものが、米油です。どの場面で使うのか、どのような料理にあっているのかなどに加えて、体にどんな影響をもたらすのか、みなさんが疑問に思っていることを、具体的に紹介したいと思います。

コメから作られたオイル

米油は国産米を原料としていますが、玄米を精米した時に発生する米ぬかから抽出されることが特徴です。米ぬか油や玄米油と呼ばれることもあるものの、日本における食品規格のJASは、「こめ油」を正式名称としています。

ココナッツオイルや大豆油などと同様、原料の規定がないことから、サラダ油に分類されることが特徴です。米油は、日本国内の食品メーカーから販売されています。

代表的なものとしては、1976年に低温抽出法を独自で開発、1982年に世界特許も取得した「オリザ油化」があり、安全性の高い米油を製造、販売しています。和歌山県にある筑野食品が製造、販売している、和歌山県産の山椒を加えた「山椒香味油」も、代表的な米油の一つです。

米油に含まれる成分

米ぬかを原料としている米油には、数十種類もの天然の生理活性物質が含まれていることなどの特徴があります。ぬか及び胚芽の15パーセントから22パーセントは脂質で構成されていますが、大豆に匹敵する含油量となっています。

オレイン酸やリノレン酸、パルミチン酸などの多くの酸が含まれている他、抗酸化物質のオリザノールなどが含まれます。また、タンパク質やビタミンEといった体に良い成分も入っています。

抗がん作用などに効果がある植物ステロールのβ-シトステロールや、ビタミンEは、植物油の中でも、特に含有量が多いことが特徴です。精米によって失われてしまう、米本来の健康的な成分を摂取できることが、米油の最大の魅力と言えます。

米油が健康食品と言われる理由

米油は、特に健康的な商品と言われていますが、その理由にはいくつかあります。米油に含まれる脂肪酸には、飽和脂肪酸と1価不飽和脂肪酸、2価不飽和脂肪酸があります。

その割合は、1対2.1対1.8であり、アメリカ心臓協会推奨の1対2.1対1.1に近いため、健康的とされています。オリザノールやβ-シトステロールには、体の老化を進めてしまう抗酸化を抑制する効果の他、大脳の神経系統を活性化させる働きも期待されます。

ガンの進行を抑えるビタミンを含んでいる他、体内のコレステロール代謝量を調整する成分も含まれています。これにより、動脈硬化予防及び、糖尿病や高血圧の治療に役立ちます。高齢者や心臓血管系の病気を持つ人には、特に推奨されている健康食品として認知されています。

米油を使った調理法

味が薄く、しかも無味であるという性質を持つ米油は、素材本来の風味を活かす効果が期待されます。よって、他の料理にアクセントとして添えることにより、味や食感をアップさせることが特徴です。

同じ原料でできている白米に数滴垂らすことで、コメ本来のつやが際立つご飯へと変化します。脂分が多いラーメンに加えると、口当たりが良くなり、あっさりとして食べやすくなります。さらに、コクが増すといった副次的な効果も期待できます。

サラサラ感があり、癖もない上、高温に強いといった特徴も持ち合わせます。揚げ物の油として使うことにより、カラッとした食感が増し、同時にあっさりした味わいへと変化します。油の傷みも少なく、匂いも気にならないという特性を持っています。

米油が体に悪いとされる理由

その一方で、米油は体に悪いという噂も耳にします。米油の抽出法には、圧搾法、抽出法、圧抽法の3つがありますが、このうち、抽出法で行う際、「ノルマルヘキサン」という劇薬を使うことに、原因があります。

ノルマルヘキサン自体、体に有害な物質が含まれていることから、米油は体に悪いという噂へと繋がっています。しかし、実際私達が口にするときにはノルマルヘキサンは含まれていません。

ノルマルヘキサンという劇薬を使った後は、高温で蒸発するという製造過程を経ます。その際に、ノルマルヘキサンによる成分が蒸発してなくなることから、抽出法で製造されても安心して食べることができます。

また、抽出法以外の製造法では、ノルマルヘキサンそのものを使わずに製造します。

米油の認知度は比較的高くなっている

日本で流通している食用油において、米油はサラダ油や、キャノーラ油、ごま油に次ぐ認知度を誇ります。精米前の過程でなくなってしまう、健康的な成分を多く含有することもあり、高齢者などにもおすすめできる油としての特性を持ちます。

さらに、薄味かつサラサラ感があるという癖のない食感により、多くの料理にアクセントを加えやすく、冷暗所にて長期保存がしやすいことも特徴です。ヨーロッパでは家庭用の油としても広く活用されています。

日本では、原料となる米ぬかそのものに生産効率性の課題が残されていることもあり、十分に普及していないことが問題となっています。

しかし、精米時の副産物として大量に発生することから、代表的な副産物であるぬか漬けなどと同様、米油の認知度も高まっています。健康志向の高まりと関係して、油としての認知度もさらに高くなることが期待されます。

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